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心理学における第三者視点とは?メタ認知の意味や身につける方法を紹介

メタ認知とは、心理学において「第三者視点から自分の認知を把握する」ことを意味する用語です。

メタ認知は様々な場面で役立つと言われており、近年メタ認知を高めようとする人が増えています。

しかし、第三者視点をどのように身につければいいのかが分からない方は少なくありません。

そこで今回の記事では、第三者視点やメタ認知の概念、第三者視点が役立つシーン、メタ認知を高める方法について紹介します。

自分の状態を客観視できる力を身につけて、勉強やビジネスの場面で活かしましょう。

第三者視点とは?

第三者視点とは、内在化された他者の視点のことを意味します。

言い換えると、自分と対面している相手の他に、その状況を客観的に見つめる他者の視点のことです。

心理学においては、第三者視点から自分自身の認知を判断できる能力のことを「メタ認知」と言います。

このメタ認知は学習やビジネス、感情のコントロールなど、様々な場面で役立つため、近年多方面から注目を集めています。

以下で、心理学における第三者視点を意味するメタ認知について、詳しく確認していきましょう。

心理学における第三者視点の「メタ認知」とは

メタ認知の概念を理解する前に、まず「メタ」の意味を再確認しましょう。

メタとは「高次元な」や「超越した」という意味を持つ言葉です。

この意味を踏まえて、メタ認知を言い換えると「高度な認知」という意味になります。

つまり、「認知していることを認知している」状態、第三者的視点から自分の認知を客観視している状態<のことです。

このメタ認知の概念は、アメリカの発達心理学者であるジョン・H・フラベル氏が提唱しました。

心理学における第三者視点のメタ認知が役立つシーン

先述した通り、心理学における第三者視点からの認知を意味する「メタ認知」は、様々なシーンで役立ちます。

ここでは、どのような場面で第三者視点が役立つのかを確認しましょう。

学習

メタ認知は、学習において役立つスキルです。

自分の認知を第三者視点から見ることで、冷静に学習を進められます。

例えば、「自分は英語のスペルミスをしやすい」と認知していれば、スペルミスをしないようにノートにメモしたり、暗記に力を入れたりすることができます。

テストを受ける際も「ケアレスミスをしているかもしれない」と自分の状況を客観的に認知することで、見直ししようと考えるようになるのです。

ビジネス

ビジネスシーンでも第三者視点から認知する能力を活かすことが可能です。

メタ認知があれば、従業員は自分の強みと弱みを把握できます。

強みがわかれば、その強みを活かせるようなキャリアを目指せますし、弱みを把握していれば改善することができます。

他にも、他人の意見を受け入れたり、自分の間違いや認識に気づいたりできるため、ビジネスにおける判断ミスを事前に防げるのです。

感情のコントロール

メタ認知を高めることで、感情のコントロールができるようになります。

自分がどのような感情を持っているかを客観視できるため、どう対処すればいいのか判断したり、気持ちを落ち着かせたりできるためです。

例えば、不安を感じている場合、メタ認知を使うことで「自分が不安を感じている」ことを明確に把握でき、その不安をどのように対処すべきかを冷静に判断できます。

感情が不安定だと気分が落ち込みやすく、モチベーションの低下や無気力を引き起こします。

そのため、メタ認知を高めて感情を安定させることが重要なのです。

情報収集

情報収集する際、メタ認知があれば正しい情報かどうかを判断することが可能です。

「人間はマジョリティの意見に扇動されやすい」「権威のある人の意見を信じやすい」など、メタ認知の意識を持ちながら情報を収集することで、情報が合っているかを考えるプロセスが生じます。

インターネットには様々な情報が溢れています。

間違った情報を鵜呑みにしないためにも、メタ認知を鍛えることが大切です。

第三者視点を身につける方法

ここでは、第三者視点を身につける方法を紹介します。

認知を高めることで、様々なメリットを得られるので、ぜひ参考にしてください。

セルフモニタリング

セルフモニタリングとは、自分の状態や行動、思考を客観視することです。

セルフモニタリングは認知行動療法に取り入れられており、ストレスマネジメントや行動変容が期待されます。

セルフモニタリングを実施する際は、性格診断やビジネススタイル診断などのツールを利用すると良いでしょう。

自分自身の強みや弱みを可視化できるので、自分のことをより深く理解できます。

セルフコントロール

セルフコントロールとは、自分の状態や行動、思考を制御し、その状況の改善を目指すことです。

セルフモニタリングを実施すると、自分の状態を第三者視点から理解できるようになるので、それらの課題をセルフコントロールで改善していく流れとなっています。

例えば、「勉強中に集中力が切れる」ということを把握した後、セルフコントロールを実施することで作業場所を変えたり、休憩時間を意識的に取ったりなど、集中力が切れないような工夫ができるようになります。

ライティングセラピー

ライティングセラピーとは、ネガティブ感情を紙に書き出して気持ちを落ち着かせることです。

臨床心理士にも用いられています。

ライティングセラピーを実施することで、自分が何に対してネガティブな感情を抱いているかを客観視できるようになります。

さらに、ネガティブな感情だけでなく、ポジティブなことを書くことも可能で、前向きな思考を持ちやすくなります。

紙とペンがあれば気軽に実践できるので、取り入れやすい改善法と言えるでしょう。

コーチング

コーチング(認知療法)とは、第三者に自分では気づかないポイントを指摘してもらうことです。

感情が不安定だったり、自分のことを客観視できなかったりすると、自分がどのような状態にあるかは見えづらくなります。

そこで第三者に介入してもらうことで、新たな視点から状況を冷静に判断できるようになるのです。

しかし、コーチングを実施するには専門的な知識やスキルが必要なので、専門家やプロの人を頼るようにしてください。

瞑想

瞑想とは、心を落ち着かせて無心になった状態のことです。

瞑想を行うことで気持ちがリラックスし、集中力が上がりやすくなったり、良質な睡眠を取りやすくなったりします。

瞑想は500種類以上存在すると言われており、実践方法は多岐に渡ります。

例えば、マインドフルネス瞑想やヴィパッサナー瞑想、サマタ瞑想、マントラ瞑想などが挙げられるでしょう。

そのため、自分に合った方法を見つけて実践することをおすすめします。

メタ認知的知識

メタ認知的知識を身につけることで、第三者視点から自分の状況を把握できるようになります。

メタ認知的知識とは、自分自身について認知している知識のことです。

このメタ認知的知識は「人」や「課題」、「方略」に大きく分けられます。

例えば、「自分には集中力が高いという強みがある(人)」、「継続することが苦手(課題)」、「目標を設定すると続けやすい(方略)」などといった知識を指します。

メタ認知的知識は、セルフモニタリングやライティングセラピーを通して把握できるようになるので、他の方法と併せて実践すると良いでしょう。

第三者視点で自分のことを理解しよう

今回の記事では、第三者視点やメタ認知の概念、第三者視点が役立つシーン、メタ認知を高める方法について紹介しました。

心理学において第三者視点から自分を認知することは「メタ認知」と呼ばれます。

このメタ認知を高めることで、感情が安定しやすくなったり、効率的に作業を進めたりできるようになります。

メタ認知はセルフモニタリングやセルフコントロール、ライティングセラピーなど、様々な方法で向上させることができます。

自分に合った方法を見つけて、第三者視点から客観視する習慣を身につけましょう。

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